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戦艦大和 最後の乗組員の遺言
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 134000 位
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もっと早く書いてほしかった。
著者の活動は、本書を読む限り、活発である。
「戦艦大和」というある意味で、太平洋戦争の「象徴」に当たる戦艦に少年兵として同乗し、その最期を経験した著者の証言は極めて重要である。
ただ、同じように戦艦大和に乗艦し、その最期を戦後速やかに発表した吉田満氏と比べるのが良いかどうかは分からないが、あまりに沈黙が長すぎた。
その沈黙の理由が、私には、理解不能である。
その点が、本書を読んで感激しつつも、何か、やりきれない思いを抱かせる。
もっと早く書いてほしかった。
生きることの意味を考える
戦艦大和は米軍機の激しい機銃掃射を受け、数多くの犠牲者を出した。爆弾や魚雷も数発命中した。被雷によって艦が一方に傾くと、反対舷の水密区画に海水を注入してバランスを取った。たとえその区画に生存者がいたとしても、それは避けられない措置だった。しかし遂に大和は横転沈没した。艦の底部からの脱出者はほとんどいなかった。
著者の戦闘配置である艦橋は無傷だった。横転する艦から難なく海面に脱出できた。しかし、沈み行く艦の巻き波に引き込まれる。もはやこれまでと思った最中に、砲塔の誘爆によって海面に押し上げられる。まもなく、空から大爆発で真っ赤に焼けた大和の鋼鉄の破片が降り注いだ。多くの兵が鉄片に当たり、目の前で声もなく沈んでいった。その後は、重油の浮かぶ海で丸太につかまりながら、2?3mのうねりの中を4時間漂流した。力尽きて海中に消えていく負傷兵がいた。「死んでもいいから眠りたい」それほどの凄まじい眠気に負けてしまった兵がいた。
やっと駆逐艦が救助に現われた。待ちきれず泳ぎ始めて力尽きる者がいた。近づいてきた駆逐艦からロープが下ろされた。我先にとロープの奪い合いが始まった。階級も年齢もなかった。もはや帝國海軍軍人はそこにはいなかった。
戦後になり、著者は海底の大和を探り当て、NHKとの合同調査でその全貌を映像化することに成功した。そして現在、「大和の語り部」として講演活動を続けている。当時17歳の上等水兵が体験した「生きる」ということの意味を伝えたくて。
ワック
戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫) 死ニ方用意―小説臼淵大尉 (ハルキ文庫) 女たちの大和 (ハルキ文庫) 戦艦大和が沈んだ日 運命の四月七日―元戦艦大和乗組員・八杉康夫聞き書き 戦艦大和―生還者たちの証言から (岩波新書)
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